神経の損傷とその過程

スポーツ活動やトレーニングなどで生じる機械的な力は時として神経系の保護機構を破綻させ、神経損傷による症状を生じさせます。

神経損傷の過程はいくつかの段階を踏むとされており、最初の段階は神経内の循環障害であるとされています。

これは、圧迫、張力、摩擦力、振動などの刺激が神経の生理的な限界を超えた結果、静脈うっ血が起こることが原因となります。

これによって低酸素となり炎症反応が起こり、神経束内の浮腫や神経内圧上昇へと繋がります。

神経保護機構のひとつである神経周膜には、神経組織を化学的にシャットアウトする働きがあり、このために炎症性の浸出液が拡散せず、神経内浮腫が持続してしまいます。

神経内は、浮腫が持続すると線維化の段階へと進み、神経結合組織の粘弾性が低下します。

その結果、一部分の神経の伸展性や滑動性の低下が神経系の他の部分の引っ張りは増強させ、さらなる損傷を引き起こす原因となってしまいます。

また、神経内線維化や神経束のすべりの減弱は、外部からの圧迫に耐える能力も低下させてしまいます。

加えて線維性の変化は神経膜や神経鞘にも生じる可能性があり、さらに滑動性を低下させるおそれがあります。

実際に、手根管症候群の患者では神経の長軸、横方向のすべりが減少していると言われています。

神経内の線維化に引き続いて、髄鞘や軸索の変化が起こります。

はじめは軸索の肥厚が起こり、続いて局所的な脱髄が生じ、重症例では軸索変性へと進展します。

これらは前の段階の程度と関係していると考えられています。

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