脊柱の日内変動について

人間の身体は1日の間でさまざまな変動が起こります。

こうした日内変動は、内分泌系や消化器系などが著明ですが、骨格系においても例外ではありません。

特に脊柱の長さについてはさまざまな研究がなされており、一般には睡眠後(起床後)に脊柱は長くなります。

1日の中で静水圧により椎間板から水分が流出し、その結果、椎体間のスペースが減少することになり、種々の靭帯の緊張が低下します。

夜間に横になっている時は、髄核内の浸透圧が静水圧を上回り、椎間板は拡大します。

また可動域にも影響があり、腰椎の屈曲可動域が1日を通して5〜6°増加すると報告されています。

起床後すぐは増加した水分によって腰椎の可動域は制限されると考えられています。

したがって、脊柱は朝は硬く、夜は柔軟であると考えることができます。

実際に朝は夜に比べて彎曲ストレスに対して300%、靭帯へのストレスも80%増加するという研究結果も出ています。

そのため、早朝の前屈動作はこれらの組織損傷のリスクを増加させると考えられ、朝の腰椎の最大屈曲を避けるだけで腰痛症状が減少することも分かっています。

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