胸郭を構成する各関節について

胸郭は12の胸椎、12対の肋骨、1つの胸骨で構成されており、複数の骨の集合体となっています。

胸郭を全体として見ると1つの構造体ですが、ミクロ的には複数の骨が関節を構成し運動性を有しているのがわかります。

つまり、この多数の関節を有した構造体である胸郭は人間の運動にとって非常に重要な働きをもつといえます。

胸郭の関節を見てみると、胸骨柄結合、胸肋関節、軟骨間関節、肋椎関節、肋間関節があり、これらの運動の合算が胸郭の運動として表出されます。

これらの関節は大きな可動性を持っているわけではありませんが、それぞれの可動性が低下した場合には、非常にエネルギー効率の悪い運動が起こることになります。

可動性が低下した関節は、それが連なることで胸郭を1つの構造体として固定させて動かしてしまうため、より大きな慣性モーメントを必要とします。

つまり、胸郭全体のサイズは変わらないものの、より大きな回転半径をもたらしてしまうのです。

結果的に、胸郭を運動させたり停止させたりする際のエネルギー消費を大きくさせ、効率の悪い運動を引き起こしてしまいます。

そのため、胸郭の評価を行う上では、胸郭全体だけでなく、各関節の運動性や連動性を考慮する必要があると言えるでしょう。

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