運動による疼痛抑制

運動療法という言葉があるように、運動は時として疾患、障害、疼痛などの治療に用いられます。

その歴史は古く、紀元前5世紀には運動療法なるものがあったそうです。

近年では難治性の慢性痛に対する保存療法として有効性が立証されており、運動による疼痛抑制効果についてさまざまな報告がなされています。

この効果は、運動中とその後の疼痛の軽減と閾値と耐性の増加を特徴とし、運動タイプにより効果に差がないとされています。

また、痛みがある部位を限定的に動かすよりも、全体的な運動、身体をさまざまに動かす運動のほうが効果があるとされ、広汎な鎮痛効果がもたらされます。

慢性痛患者では、無痛部の運動により全身性の疼痛効果をもたらす一方、有痛部を運動すると全身性に鎮痛効果が得られなくなることも報告されています。

基本的には、運動部位において最も効果が発揮されるため、運動初期は痛みのない部位、痛みに影響を及ぼしにくい部位から始め、有痛部の痛みが緩和するにつれて、徐々に有痛部に移行するべきだと考えられます。

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