後十字靭帯について

腹臥位で膝関節を屈曲すると、膝関節屈筋群は脛骨を大腿骨に対して後方に滑らせます。

この動きは、後十字靭帯(PCL)の緊張によってある程度制限されます。

このPCLの働きは、膝関節屈曲角度によっても変化し、90°付近では脛骨の後方移動に対する全抵抗力の95%を、0〜30°付近でほとんど無視できるほどしか抵抗を示しません。

この場合殆どの抵抗は、膝関節伸展位付近で自然と伸張される後方関節包と側副靭帯が引き受けています。

PCLの特に重要な機能といえば、固定された下腿上の大腿骨前方移動の制動です。

深くすばやいしゃがみこみ動作では、脛骨に対して大腿骨の前方移動が起こりえますが、周囲の関節包とPCLの緊張や重力、筋活動による脛骨大腿関節内での圧迫力が、これを防いでいます。

さらに膝窩筋腱もこれと同じような働きを担うため、PCLの機能不全に陥った膝関節では、この膝窩筋の働きを特に見直す必要がありそうです。

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