小胸筋の緊張について
小胸筋が緊張すると、肩甲骨が引っ張られ前傾します
仰臥位での床に対しての肩甲骨の「浮き」は小胸筋の緊張によるものです。
このように小胸筋短縮にある人は、肩甲骨後傾が小さくなり、肩挙上時においては肩甲骨の内旋が増大します。
これは関節窩に対する上腕骨頭の中心化メカニズムを破綻させ、インピンジメント症候群の危険性を増加させる原因となります。
さらに、小胸筋深部には腕神経叢や腋窩動脈が走行しているため、緊張した小胸筋やそのストレッチはこれらを圧迫し、胸郭出口症候群となります。
典型的な症状としては、手のしびれやヒリヒリ感、皮膚が青白くなり脈拍が減少するといったものです。
小胸筋のストレッチはこうした症状を悪化させないように注意する必要があります。
一般的には、大胸筋の深層にある小胸筋は触診が困難な筋であるといえますが、肩関節伸展・内旋・内転位からのlift off運動は肩甲骨の前傾が起こるため、小胸筋の触診としても有効といえるでしょう。
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