カルノシンとアンセリン

カルノシンやアンセリンなどのイミダゾールジペプチドは、動物の脳、心臓、肝臓、腎臓、神経系や骨格筋中に広く存在します。

特に骨格筋中に高レベルで存在することから運動との関連が古くから示唆されてきました。

これらのイミダゾールジペプチドはその分子構造から緩衝作用を有しており、高強度の運動の乳酸生成によるpHの低下がもたらす筋活動の低下を軽減させる可能性があると考えられています。

実際に、中距離ランナーの骨格筋中には長距離ランナーや非鍛錬者に比べてカルノシンが高濃度の存在するという報告があり、骨格筋中カルノシン濃度と無酸素性スピードテストの持続時間との間に密接な関係があることが示唆されています。

また、骨格筋中カルノシン濃度と30秒間の全力ペダリングにおける平均パワーとの間で有意な正の相関関係にあることが報告されています。

したがって、骨格筋中カルノシン濃度およにアンセリン濃度を増加させることにより筋の緩衝作用が増強し、その結果として短時間高強度運動パフォーマンスが向上する可能性があると考えることが出来ます。

カルノシンやアンセリンはたとえば鳥の胸肉に豊富に含まれており、その抽出物を用いた実験では、特にカルノシン濃度の初期値が低い被験者ほど、運動中の筋疲労によるパフォーマンス低下を抑え、よりパフォーマンスの向上が見られたとされています。

また、この抽出物を用いた他の実験では、その継続摂取が、筋肉中のカルノシン濃度増加をもたらし、その緩衝作用によって筋肉中のpH値低下を抑え、運動時間が伸長することが明らかとなりました。

このことから、カルノシンやアンセリンの継続摂取が、筋肉の疲労緩和に有効であることが示唆されました。

このカルノシンやアンセリンは鶏胸肉の他にマグロやカツオなどの大型回遊魚に多く含まれています。

筋疲労回復を狙って摂取するのもいいかもしれません。

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