脛骨疲労骨折について

脛骨は疲労骨折の頻度が非常に高い部位であり、全疲労骨折の約50%を占めるとされています。

疲労骨折は、骨へのオーバーユース障害であり、ランニングなどによる反復する微小なダメージの蓄積が、骨を新生する能力を超えてしまった際に発生します。

骨新生時の骨沈着は、骨への負荷の約30日後からより亢進しますが、負荷増強の直後では骨吸収のほうが優位となります。

このため初期には骨多孔性が強くなり、骨のストレスに対する抵抗性が低くなることから、疲労骨折が発生しやすいと言われています。

どのようなものが疲労骨折のリスクになるのかについては、さまざまな研究が行われています。

内的な要因としては、下肢形態、可動域、足関節底屈筋の筋力、歩行フォームなどを調べてみても、疲労骨折の形成には関与しづらいことが報告されていますが、体格に対して骨格が小さい例や、運動に対して普段の身体活動が少ない例や体力が弱い例など、キャパシティオーバーが関係していることが示唆されています。

何かに続発する障害ではないため、徐々に進行する疼痛に注意しなければなりません。

脛骨上に限局的に痛みを自覚する場合、診断で否定されない限り、疲労骨折と考えるべきでしょう。

しかし、疼痛が5cmを超える範囲で起こっている場合、骨膜炎やコンパートメント症候群の疑いもあります。

脛骨疲労骨折が最も起こりやすい部位は脛骨遠位1/3の内側縁と言われています。

より近位に起きた場合、痛みは腓腹筋後内側部にびまん性に出現することが多いため、筋挫傷として認識してしまうこともあります。

疲労骨折の多くはトレーニングの強度、頻度、時間が増加した後7〜8週以内に発生するため、これらは非常に有用な情報となるでしょう。

 

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