膝関節について

膝関節の軸回旋は多くの運動において重要な基盤となります。

そのほとんどは立位で行われるため、固定された下腿に対して大腿骨が回旋するという脛骨上の大腿骨の運動によってもたらされます。

この動きは、筋活動、体重、骨や半月による関節適合、ACLや側副靭帯といったいくつかの靭帯の緊張によって誘導され安定されます。

さらに、脛骨と距骨は固定された踵骨に対して回旋することでこれらの運動に関与します。

これらのことから、下肢のどこか一つの関節で疼痛や筋力低下や可動域制限があると、それ以上の関節による代償を必要とするであろうと考えられます。

しかし膝関節は、下肢の他の関節よりも骨の適合性に左右されることはなく、主に周囲の筋群や結合組織によって左右されます。

この骨による制限の少なさは、運動範囲の拡大をもたらしていますが、このことが膝関節の外傷の受けやすさを増大させています。

MCLや後内側関節包、ACLは荷重している下肢の外側に影響している大きな外反力や軸回旋力を受けて、特に膝関節が過伸展位にあったり、それに近いと受傷しやすくなります。

伸展した膝関節、関節の不動の肢位では、多くの組織が緊張します。

この靭帯性の緊張状態は膝関節をしっかりと保護しますが、靭帯がさらに伸張されるとより損傷されやすくなります。

こうした膝関節損傷の予防は多くのスポーツ従事者にとって重要な要素となっており、いくつかのトレーニングプログラムが実践されていますが、それでも完全に回避することは難しいとされています。

多くの専門家による幅広い研究に今後も期待したいところです。

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