立位姿勢と姿勢による筋の関与

人間の日常生活の行動の多くは、立った姿勢や立って何かをするという姿勢において行われています。

そのため、立位姿勢の定位と安定性は、姿勢制御の主要な関心事となっています。

人間は、基本的な立位姿勢を維持するため、身体構造と重心線の関係から、複数の筋群が持続的収縮を行っています。

体幹部では、胸腔や腹腔内圧が前方から、脊柱起立筋が後方から支えることで重要な役割を果たしています。

大腿部による姿勢保持には、大腿二頭筋および大腿四頭筋の非持続的な筋活動がその役割を担い、下腿部では、腓腹筋やヒラメ筋の持続的活動があります。

こうした立位姿勢を保持するための筋のうち、頸部筋や脊柱起立筋、大腿二頭筋およびヒラメ筋を主要姿勢筋とよびます。

体幹筋の活動をみていくと、姿勢別に優位に働く筋群が変わります。

基本的立位姿勢では脊柱起立筋は優位ですが、楽な立位姿勢になると腹筋群の活動が増加します。

休めの姿勢では、休足側の体幹筋と下肢筋はほとんど活動しませんが、支持足側の腓腹筋と前脛骨筋は活動しています。

両側を軽く開いて、両手を腰部で組んだ姿勢では、大腿二頭筋、腓腹筋、ヒラメ筋のほかに大腿四頭筋、前脛骨筋の活動も生じています。

また、立位姿勢における筋活動には、発達的な変化もあります。

幼児期には、脊柱起立筋とその拮抗筋である腹直筋にも、持続的活動が観察されます。

幼児期では、主動筋の働きは不完全であり、さらに不用な筋群の活動を抑制する機構が未熟であることが原因になります。

他にも、軍隊式直立不動の姿勢を長時間にわたって保持すると筋群の過緊張によって、下肢筋群に循環障害が起こります。

エネルギー消費は楽な立位姿勢よりも約20%も増加します。

快適で長続きする自然なり立位姿勢の保持には3つの要素が関与しているといいます。

まず、安定性です。

力学的にバランスの安定した状態であれば、姿勢保持のために筋活動は最小になります。

次に、非対称性です。

直立不動の姿勢よりも、片足を斜め前に出した休めの姿勢のほうが、支持基底が広がり、バランスの安定性は増します。

そして、交代性です。

一定の姿勢を長時間にわたって保持するとき、わずかの姿勢変化によっても、筋緊張のバランスが広がり、筋群の血液循環が促進され、筋疲労が軽減されます。

休めの姿勢でも、休足を随時左右に交代させるほうが筋疲労は少なくなります。

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