仙腸関節痛と結合組織の関係

仙腸関節部の痛みはありふれており、仙腸関節自体や腸腰靭帯の障害に起因することが多いとされています。

そのため、この痛みに対する筋の影響は軽視されている可能性があります。

腰仙部に関連する伸筋の多くは仙腸関節や上後腸骨棘にありますが、筋そのものよりも腱や骨腱移行部、腱複合体の面積は小さく、こうした大きな筋組織と小さな結合組織のアンバランスが結合組織の微細損傷を生む原因となり、結果として痛みが生じると考えられています。

これらの結合組織はどのくらいの負荷で損傷するかは不明であり、推測も難しいとされていますが、伸筋に大きな活動を要求するような負荷や伸筋への高頻度の負荷が損傷の危険性を増大させることは明らかです。

スポーツ運動に限らず労働においても、損傷を起こすのに十分な負荷・頻度の仕事は珍しくなく、これが蓄積することで外傷が発生する可能性が高いとされています。

こうした高負荷あるいは高頻度の負荷は、仙腸関節を超え、局所に痛みを起こす可能性もあります。

例えば、仙腸関節症候群の患者には肉離れや筋スパズムが併発していることが多いとされています。

これら仙腸関節の問題は、その人の動きのなかでの筋への負荷を軽減するテクニックの指導や個別的な「型にはめない」介入が必要となります。

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