髄核の位置記憶とマッケンジーの仮説

脊柱の機能は、直前の活動によって変化します。

この現象は、椎間板の水分状態が、それまでに起こったこと、つまり負荷の履歴に左右されるために起こり、その水分状態の変化により、靭帯の静止長や関節可動性、剛性などが変化します。

かの有名なマッケンジーは、線維輪中の髄核は脊柱伸展で前方に移動し、屈曲では後方に移動すると提唱しました。

マッケンジー体操において腰椎を他動的に進展させるのは髄核が前方移動することでヘルニアで最も問題の部分である線維輪の後方への圧が減少するだろうという仮説に基づいています。

髄核は粘性があるために、このような髄核の位置変化は姿勢を変化させたあとすぐに起こるのではなく、ある程度の時間を要すると言われています。

これらのことを考えると、坐位やかがむ姿勢など、長時間の屈曲のすぐ後に、持ち上げ動作を行うことは避けたほうが良いであろうと思われます。

さらに、長時間の屈曲は脊柱後方の靭帯に歪みを起こす可能性があると言われており、20分の完全屈曲ではその後2分間にわたって椎間関節の剛性が半分に低下し、30分の休息後にも、多少の関節弛緩性が残る場合があったという報告があります。

このことから、長い時間屈曲位に晒される場合は、その前に短時間でも意識的に脊柱を伸ばすことを心がける必要があります。

そのようにして、髄核の釣り合いをとる、または髄核を通常の配置に戻るように移動させることができるのであれば、その後の持ち上げ動作において線維輪後方にかかる力は減少する可能性があるでしょう。

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