赤ちゃんの神経発達

生まれたばかりの赤ちゃんの脳は約400グラムであり、成人の約1/4のサイズです。

これが1歳で900グラム、3歳で1000グラムとなります。

人間の脳にある神経細胞は1000億個以上と推定されていますが、この数は成人でも赤ちゃんでも同じです。

同じでありながら、成人と同じ行動ができないのは、神経発達が未熟で十分な学習がなされていないためと解釈されます。

赤ちゃんの脳の神経発達は、より基本的な機能をつかさどる延髄や橋からはじまり、中脳、そしてより高度な機能をつかさどる大脳へと進みます。

新生児から3ヶ月ごろまでは延髄から橋までの神経発達により、空腹になると母親の乳首をさがし乳を飲むなどの原始反射がみられます。

4ヶ月から2~5歳くらいまでは、中脳の神経発達により、体を傾けたときにまっすぐな姿勢になろうとする立ち直り反射がでてきます。

そして、6ヶ月ごろから成人までは大脳皮質の神経発達により体のバランスをとって姿勢を保つ平衡反応出現します。

人間の基本的な動作に関する部位の髄鞘化は3歳ごろまでに完成します。

神経発達とともにレベルにあった学習を自発的に行い、6歳ごろまでに基本的な動作ができるようになり、大脳の髄消化は20歳ごろまで進行します。

幼い頃の記憶は、覚えていないか、覚えていたとしてもあやふやで断片的であることがほとんどですが、長期の記憶と関係する大脳の前頭連合野、前頭頂頭野、側頭前合野などの髄鞘化は3歳以降に起こるため、当然であると言えます。

また赤ちゃんの脳には、生後に見聞きするであろうすべての鋳型が組み込まれていて、母親の声や顔に反応するというシステムが備わっています。

生後5日すぎると、母親のにおいや声にだけ特別に反応するようになります。

このような行動により、赤ちゃんと母親は互いに反応し合い、赤ちゃんは赤ちゃんらしく、母親はお母さんらしくなっていきます。

これを母子相互作用といいます。

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