寒冷環境と全身耐寒性

冬が近づくにつれて、気温を含め、我々を取り巻く諸環境にさまざまな変化が現れますが、我々の生体環境にも変化が現れます。

特に「寒さ」は熱産生という点で大きな影響を与えます。

生体は、急性的に寒冷に曝露すると熱産生量が増加し体温の維持を図るように働きます。

こうした全身耐寒性は、熱産生量が大きいほど増強すると言われています。

寒冷馴化は、寒冷曝露時の熱産生量が顕著に増大し、全身耐寒性が増強すると言われています。

トレーニングは寒冷馴化と同じように、寒冷曝露時の熱産生量を顕著に増大させます。

すなわち、運動と全身耐寒性の間には相関関係があるということです。

寒冷曝露時に熱産生量を増大させるメカニズムには非ふるえ熱産生の亢進が関与しています。

非ふるえ熱産生が亢進すると、ノルアドレナリンの分泌増加時に血中遊離脂肪酸の利用や酸化速度が増大しますが、これは寒冷馴化時でみられるもので、トレーニングでは増強しないとされています。

しかし、寒冷環境の運動により肝臓における糖新生や糖利用増大が示唆されており、トレーニングによる全身耐寒性の増強にはこれら糖質を介したノルアドレナリンが重要な役割の1つと考えられています。

熱産生量増大のメカニズムは他にも、骨格筋によるふるえ熱産生があります。

ふるえ熱産生による熱産生の増大はトレーニングにより増強され、血中グルコースの利用が増大します。

寒冷曝露時の熱産生量が顕著に亢進し始めるのは、トレーニング開始から約8週間経過時点からで、その後トレーニング量が増すほど熱産生量は増大します。

しかし、全身耐寒性は運動量多くかつ運動強度が高いトレーニングほど増強しますが、その増強にノルアドレナリンによる非ふるえ熱産生の亢進は関与しないようです。

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