骨のメカノスタット機構
ドイツの解剖学者ジュリアス・ウォルフは、骨は「それに加わる力に抵抗するために最も適した構造へと発達する」と述べ、これは現在ではウォルフの法則として知られています。
しかし骨が機械的負荷にどのように反応するかについては、未だ十分に解明されていません。
その中で、この反応はメカノスタットと言う働きによりコントロールされていることが示唆されています。
メカノスタットとは、骨の構造を調節することにより、骨のひずみを至適レベルに維持する働きです。
機械的負荷が加わることで生じる骨のひずみは、細胞の信号に変換されると考えられています。
そのため、骨細胞はひずみの感知と信号伝達の役割を担う細胞と考えられています。
そして、細胞の信号は、局所におけるひずみの至適レベルと比較され、信号がひずみの至適レベル域内であれば、順応は起こらず、モデリングあるいはリモデリングが起こります。
しかし、ひずみ至適域を超えるか逆に下回る場合、オーバーユースあるいは廃用といった状態であると認知されます。
その結果、骨のひずみを再調整するため、骨量の増加または減少といった反応が起こされます。
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