関節包の構造

関節包は関節腔を形成するとともに、関節運動の方向を制限することで関節に安定性を与えています。

関節包は骨膜から続いて関節全体を覆う構造となっており、滑膜細胞などで構成される滑膜内膜とその外側にある結合組織構造の滑膜下層で構成されています。

滑膜下層は毛細血管やリンパ管に富んでおり、神経終末も存在します。

滑膜細胞はA細胞とB細胞に分けられ、A細胞は機能や構造がマクロファージに似ており、貪食能を持つことから関節内浄化作用に関与するとされています。

B細胞は線維芽細胞に類似しており、滑液の構成成分であるヒアルロン酸はこの細胞で産生され、そのほかに炎症性サイトカインやコラーゲン分解酵素の分泌も確認されています。

そして、滑膜細胞間にはヒアルロン酸、糖タンパク質、コラーゲン線維などが存在しますが、コラーゲン線維の量は少なく、存在するコラーゲン線維は細く、線維束をつくることは少ないと言われています。

一方、滑膜下層は構成する組織により疎性型と線維型、脂肪型に分けられ、同一の関節包であってもその部位によって複数の型が存在することがあります。

例えば、肩関節包では前方関節包の内側部と滑液包周囲は疎性型ですが、その他の部位は線維型になっています。

関節包最も外側の線維膜は強靭な線維性結合組織で、骨端部において骨膜に移行しており、関節の安定性に寄与しています。

一般に、線維膜の厚さとコラーゲン線維束の走行方向は、それにかかるストレスに依存しています。

つまり、線維膜にかかるストレスが大きくなるとその厚さは増します。

線維膜の走行方向は関節方向と一致するため、関節運動は線維膜へのストレス負荷となります。

関節包の主要構成成分がコラーゲン線維であることを考えると、関節包の伸張性はコラーゲン線維の量に依存すると考えられ、実際に関節包の内層と外層では伸張性が異なっているのはこのためだと考えられます。

つまり、関節包内層にあたる滑膜はコラーゲン線維が疎らな構成であることから伸張性に富んでいますが、外層にあたる線維膜はコラーゲン線維の密な構成であるため、伸張性は乏しいとされています。

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