イミダゾールペプチドについて

我々人間は、二足歩行で長距離移動を可能にすることで太古の競争社会を勝ち抜いてここまで生きてきました。

人間は二足歩行でエネルギー効率が最適になるようさまざまなシステムが働いており、それが長距離移動を可能にしています。

実際に狩猟民族において長距離走が動物を狩るのに役立つそうです。

しかしそれでも、長距離移動を「生業」としている動物と比べるとその能力も霞んでしまいます。

その代表格は渡り鳥や回遊魚でしょう。

渡り鳥や回遊魚は1日で何百kmも移動することができます。

おそらくこの渡り鳥や回遊魚は構造学、動力学的に優れたデザインになっているのだと思いますが、これらの生物は共通してイミダゾールジペプチドというアミノ酸化合物を多く持っています。

つまりこれが、彼らの「渡り」に影響しているのだと考えられており、特に骨格筋中に多く存在することから、運動との関連は古くから示唆されていました。

現在分かっているイミダゾールジペプチドの作用としては、運動によって起こるpH低下による筋活動の低下を軽減させるというものがあります。

以前お話したように、運動によって体内にはさまざまな酸化物質が発生します。

これにより、種々の筋細胞小器官がダメージを受け、筋疲労や筋収縮効率の低下を引き起こします。

イミダゾールジペプチドはこうした酸化ダメージを軽減することで、筋肉中のpH値低下を抑え、筋活動の低下を防ぎ、運動時間を長く保つと言われています。

このイミダゾールジペプチドは鳥胸肉やマグロ、カツオといった回遊魚に多く含まれており、最近ではこれを抽出したサプリメントも出ています。

ぜひ摂取してみてはいかがでしょうか。

関連記事一覧

  1. この記事へのコメントはありません。