食事と依存症

肥満を呈している人の多くには、どうしても食べるのをやめられないという人がいます。

この過食による肥満は、ある種、薬物依存と同じようなメカニズムが働いていると言われています。

薬物依存に挙げられる特徴として、薬物摂取を自分で止めることができない、衝動的な行動をコントロールできないというものがあります。

これは脳の報酬系の障害によるものだとされています。

報酬系とは、欲求が「満たされたとき」や「満たされるであろう」ときに活性化される神経系のシステムです。

薬物依存症患者では、その報酬系に関わる物質の受容体の減少がみられるといいます。

そして、病的な肥満患者の脳においてもこの受容体の減少がみられたということが分かっています。

実際に高カロリー食を続けると、このような依存的な状態に陥るとされています。

また、薬物使用者において過食、特にチョコレートやビスケットなど高嗜好性食品の摂取量増加がみられました。

これは薬物そのものが脳に作用する際の受容体と関係があると言われており、この受容体を人為的に活性化させると、たとえ食後であっても上記のような高嗜好性食品の摂取量が増加し、抑制すると摂取量が減ったと言われています。

つまり、過食を続けるとそれが依存症の原因になり、高カロリーの食品はそれ自体が依存性のある可能性があるということです。

美味しいものはたくさん食べていたいですが、何事も適量で満足したいところです。

運動は報酬系に強く働きかけるものです。

習慣的な運動で報酬系を正しく作動させていきたいですね。

ではまた。

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