プロソディ情報と文脈の理解
運動指導でも日常のコミュニケーションでも人に何かを伝えようとするとき、相手に自分が発する内容を理解してもらわなければなりません。
日常で読んだり聞いたりする文のほとんどは、単語そのものは知っていてもその配列パターンははじめて出会うパターンとなります。
こうした文を理解するとき、個々の単語をつなぎ合わせて、新たに一貫性のあるイメージを作り出します。
このように聞き手や読み手が文字や音声から、単語と単語の関係を推定するというプロセスを構文解析といいます。
これらのシステムは非常に多様性をもちます。
例えば、「彼がくるまで待っている」という文の中には「来るまで待っている」と「車で待っている」という意味が潜んでいます。
さらに、「彼が車で待っている」であったとしてもその後に「彼女のもとへ急いだ」という文が続けば、一旦構成された「彼が車で待っている」という解釈を放棄し、『車で待っているのは彼女であり、彼は急いでいる』という再解釈をしなければなりません。
人はこのような多様性に直面した場合、多くの要因から影響を受けます。
これには発話のリズムや間、声の高さなどが含まれます。
こうした、解釈のための手がかりとなるさまざまな情報をプロソディ情報といいます。
話し手は声のピッチやタイミングを変えることによって多様性を低減させ、聞き手はこのプロソディ情報を活用することで認識することができます。
「彼がくるまで待っている」も、話し手のさじ加減によって「来るまで」なのか「車で」なのかを変化させることができるわけです。
さらに実生活では視覚的情報も手がかりとして活用できることが多く、それも積極的に活用すべきでしょう。
このプロソディ情報を上手く活用してより円滑なコミュニケーションを達成したいものですね。
ではまた。
この記事へのコメントはありません。