筋細胞内の刺激伝達たんぱく質「mTOR」について考える

今日は、筋細胞内の刺激伝達たんぱく質「mTOR」について考えます。

mTORとは何かといいますと、細胞内シグナル伝達に関与する酵素といったものです。

いまいち何のことか分かりませんが、mTORの働きを簡単にいえば、細胞内の栄養状態だとか、エネルギーの状態だとか、成長因子の有無といった細胞内の総合的な環境を感知・判断し、細胞の成長を制御するといったものです。

mTORはさまざまな病気に関わっているとされており、人間の正と負、両方の側面に関わっています。

例えば、mTORの活性化により筋肥大が促進したり、例えばある疾患はmTORがその進展に関わっていたりといった具合です。

とはいえ、我々がそんなことを気にしたって仕方のないことですね。

我々の生活における種々の反応を紐解いていくとそこにmTORが関与しているというレベルの認識でいいかと思います。

ただ、筋肥大に関与しているというのはひとつ興味をもって良い部分かなと思いますね。

「筋肥大にはタンパク質の摂取が必要だ」「タンパク質のなかでもBCAAが重要だ」「BCAAのなかでもロイシンが重要だ」「ロイシンの代謝産物のHMBが云々…」といった情報がたくさんありますが、なぜこのような話になるかの一因にmTORが関与しているわけです。

つまり、ロイシンが十分量あることがmTOR活性化のキーになると考えられています。

mTORは他にも、グルコースやインスリン、IGF-1といったものが筋肥大に関わるといわれる根拠のひとつにもなります。

あえてわざわざmTORを活性化させましょうとは言いませんが、筋肥大のための努力にはmTORの活性化も含まれているということですね。

こちらの「タンパク質の同化と異化について」でもmTORに触れていますので参考にしてみてください。

ではまた。

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