安定筋の機能と反射

代償動作とは一見悪いようにも聞こえてしまいますが、適切に使えない場合にうまく乗り切るためのいわば生存メカニズムであって、問題点としての「モビリティ」や「スタビリティ」が動作の中でうまく行えていない場合にはこの「代償」という手段をもって、その場を乗り切ろうと反応することになります。
いわゆる人が生まれ持って備わっている初期機能が原始的な運動パターンの組み合わせによって表出しているものとするならば、実際の動きの中で大きな筋群や主動作筋群を使って、原始パターンを様々なレベルの効率性とクオリティーを伴って遂行することが求められますが、実のところこれを適切に行うことは非常に難しいですし、適切な動きをなんて意識してしまったら尚の事身体は言うことを聞かない状態になってしまいます。

出来る限り主動作筋群を使わないようにし、インナーマッスル、いわゆる安定筋が実際の動きの中で機能するようにトレーニングしていくことが必要。


代償動作を「無」にすることを目指すのではなく、全体に大きな影響を与えないような代償動作は「有」として、動作全体の円滑さを考えることは非常に重要になると思いますし、それでもやはり大きな代償動作が表出しないようにするためにも、動作の安定性を考える場合には、出来る限り主動作筋群を使わないようにし、インナーマッスル、いわゆる安定筋が実際の動きの中で機能するようにトレーニングしていくことが必要になってきます。

安定筋は正しい動き、適切な刺激量のトレーニングによって、筋骨格系をサポートし関節を保護してくれるようにはなります。


このインナーマッスル、安定筋は、毎日ほとんどの場面で静的なポジションで活動するように作られており、主な役割としては関節のアライメントと身体の姿勢を保持しています。
この静的なポジションで活動するということがキーポイントであり、実際の動作のような動的局面においてはなかなか機能的に働かないようにできています。
安定筋は動作を作り出す主動作筋のようにトレーニングで肥大するようにはできていませんが、正しい動き、適切な刺激量のトレーニングによって、筋骨格系をサポートし関節を保護してくれるようにはなります。
このような安定筋の強化により、動作の質的改善がみられ、結果として優れた主動作筋群や大筋群によるパフォーマンスが可能となっていきます。

姿勢保持や安定保持は基本的に反射運動によって行われることが大事!


このような静的ポジションで活動する安定筋のトレーニングを行う際に考えなければいけないのが、「コンシャスアクセス」、いわゆる「意識介入」です。
本来、姿勢維持や動作の安定を意識しながらコントロールすることはないと思います。
実際にバランスを崩したときに意識的にバランスを立て直すことってほぼないはずです。
このような姿勢保持や安定保持は基本的に反射運動によって行われます。
いわゆる頸反射や迷路反射がそれであり、これら反射のメカニズムで私たちの姿勢や安定性は保たれています。
もしこのような安定性を得るための反射運動がみられない場合、あるいは意識下の中でなんとか安定させようという仕草が見え隠れするということは、実際には安定筋を反射的に用いて効果的、効率的に動作コントロールできていない可能性が高いかもしれません。
反射による安定筋の活動は、意識下で行うのではなく無意識でかつ自発的に行われてこそ始めて効果的に機能しているということが大切です。

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