他動的関節可動域運動

他動的関節可動域運動は、徒手的または機会的に主働筋の随意収縮を伴わずに関節に動きをおこす運動をいいます。

この運動は、リハビリの現場において最も一般的に用いられる運動であり、筋力や関節可動性の程度、疼痛の有無、表在や深部感覚の異常などに関係なく施行され、外力によって関節を動かし、関節可動域を維持、増大させる方法です。

運動の強度により、他動的伸張運動へと移行します。

また、拮抗筋の筋力が十分であり、かつ可動域制限がある場合は、拮抗筋の最大等尺性収縮直後に、他動的に関節運動を起こす方法も行います。

この方法は相反神経メカニズムを利用し、拮抗筋の最大収縮後の弛緩相を狙い、反対方向への関節可動域の拡大をはかろうとするものです。

さらには、主働筋の筋緊張亢進が原因となる軟部組織由来の関節可動域制限では、主働筋に等尺性収縮を負荷する方法が選択できます。

等尺性収縮後は筋紡錘からのIa求心性神経線維の活動を抑制することができます。

他動的関節可動域運動の目的は大きく、拘縮を予防するといったような保有する関節可動域を維持する場合と、筋と結合組織の伸張運動により制限された関節可動域を改善する場合との2つに分けられます。

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