副腎皮質ホルモンの注射

副腎皮質ホルモンは、特に注射薬としてスポーツ外傷・障害の治療でよく使われる「悪名高い」とされる薬です。

副腎皮質ホルモンは臨床スポーツ医学において重要かつ有用な位置を占めています。

副腎皮質ホルモンの強力な抗炎症作用は炎症の化学連鎖の最初の段階を抑制する働きの結果です。

副腎皮質ホルモンが白血球の傷害部位への遊走を抑制することは、NSAIDsとの重要な違いです。

副腎皮質ホルモンの免疫抑制は主にこの作用によるものであり、細胞からの酵素放出を減らす膜安定装置とされています。

このため、ある程度の鎮痛作用を持ちますが、その程度は明らかではありません。

副腎皮質ホルモンを使うことの大きな懸念は治療過程にある組織においてコラーゲン合成と線維芽細胞の増殖を阻害することです。

このことは、不全治癒や新たなあるいはさらなる傷害に曝される危険性を生じます。

副腎皮質ホルモンの注射の副作用に有名なものとして腱断裂がありますが、これはまれであり、さらに直接的な関係はないという報告もあります。

しかし、アキレス腱の自然断裂は経口の副腎皮質ホルモンの服用の結果であったという事実もあります。

ですが、重篤な炎症性疾患は経口副腎皮質ホルモン治療の適応であるため、これもまた病的な腱の摩擦の結果によるものかもしれません。

つまり、すべての人に少なからず腱断裂のリスクがあるということです。

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