呼吸の調節

呼吸運動は呼吸筋を意識的に収縮したり、弛緩したりすることで調節できます。しかし、ほとんどの場合が延髄にある呼吸中枢によって無意識のうちに行われていますが、基本的には自動興奮による反射運動です。呼吸中枢は、神経的および学的な影響を受け、呼吸を調整しています。

●神経的調節

呼吸の神経的調節の中で最も代表的なものに肺迷走神経反射があります。これは吸息によって肺胞が拡張すると肺胞にある伸展受容器が興奮し、迷走神経を介して呼吸中枢にインパルスが送られ反射的に呼息運動が起こることです。呼息によって肺胞が収縮するとインパルスが減少し吸息運動が起こります。

●化学的調節

化学的調節には脳幹(中枢)と頸動脈小体および大動脈小体(末梢)の受容器が関与しています。CO₂が産生され血中に流出すると炭酸(H₂CO₃)となり、これが水素イオンと重炭酸イオンに解離して中枢および末梢の受容器を刺激すると考えられています。頸動脈小体および大動脈小体の受容器は頸動脈分岐部および大動脈の付近にあります。血中のCO₂分圧の増加、O₂分圧の減少、pHの酸性化は反射的に呼吸運動を促進させます。

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