身体のシステム

人間の構造は、蝶番のように動くが、軸やピンによって関節が固定されているわけではなく、中心軸の周りを回転しています。

関節は、その関節周囲にある靭帯と筋の2つによって保持されています。

靭帯は、関節の自然な動きの各方向に対して関節を支える場合が多くあります。

関節は、関節包によって完全に取り込まれ、保護されています。

関節包内の滑液は、潤滑油として、また関節内骨端の軟部組織である軟骨への栄養補給を行うという役割を持ちます。

もう1つの支持構造である関節周囲の筋群の複雑なネットワークは、大きく2つに分類できます。

主に関節の安定に関わる筋群と、主に動きを起こす筋群です。

関節を安定させる筋群は、関節が動いたり、負荷がかかったときに、いわば関節に圧迫を加え、瞬時に関節を支える筋群です。

動作中に姿勢や関節の位置を保つため、姿勢筋とも呼ばれます。

姿勢筋がその役割を果たした上で、大きな筋群が短縮することによって、関節を特定の方向に動かします。

関節、靭帯、筋には、非常に複雑なコミュニケーションシステムが存在し、共同で関節を保護しています。

靭帯がストレスがかかる方向に走っているのには理由が2つあります。

まず、靭帯の張力の強さが関節が引き離されることを防ぎ、関節が保護されます。

そして、靭帯内には張力を感知する小さなセンサーがあり、それが一定のポイントに達すると筋が関節を保護するように動きます。

関節包内、軟骨内のセンサーからは、関節の感覚や位置とともに動作の速度と方向の情報も脳に伝達されます。

筋にも筋紡錘と呼ばれるセンサーがあります。

これらのセンサーによって張力が常に感知され、それによって筋の準備・認識状態が保たれるため、筋は適切な動作ができるように弛緩または収縮します。

これはすべて反射の形で無意識に起こり、意識的な考えを必要としません。

膝を打腱器で叩くと膝蓋腱反射がおこるのと同じシステムです。

関節と筋は、身体を保護し動作を効率的にするため、無意識的に機能します。

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