状態は突然変化する

生物は、ある状態から異なる状態へ突然不意に変化(相転移)します。

目で見ているだけでは、徐々に状態のレベルが徐々に変化したように見えますが生理学的バイオメカニクス的に考えると突然正反対のことが起きていることがあります。

歩行とランニング間の変化は、コーディネーションの相転移の一例です。この二つの間で起こる変化は、徐々に形を変えていくのではなく、中間の型がなく、突然変化するのです。

私たちは歩いているとき、身体重心は上下動しています。その時の最高点は両脚が左右重なっているときで、最下点は両脚が最も離れているときです。

それに対して、ランニングの時の最高点は両脚が最も半れているときで、最下点は両脚が左右重なっているときです。

このように、歩行からランニングに移行するとき、身体重心の上下動が突然入れ替わります。

運動エネルギーの保存も同じです。

歩行の時は、支持脚を回転軸にして、遊脚の振り子運動を行って、身体重心が上昇することでエネルギーが失われないようにしています。

ランニングの時は、弾性的な伸長的構造をによって接地中にエネルギーが保存されるように運動を行っています。

よって、歩行とランニングでは突然劇的な変化が起きているのです。

トレーニングも同じで、ある状態から異なる状態に瞬時に変化させることが重要となってきます。

それを踏まえたうえで、トレーニングを考えていくと動作の質も変化してくると考えられます。

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