経験は脳を改変する。

経験は脳を改変することがあります。

しかし、その経験は、トレーニングする者の脳の中の身体を治療する経験でなければならないわけです。

そのためには、まず体を使って世界に複数の意味を与える経験を構築し、脳の認知過程に働きかけていく必要性があります。

具体的には、目を閉じて、注意を体性感覚に集中すること。

セラピストの介助によって、手で物体に触れ、その位置や距離を認識すること。

その手と接触した物体はどのような素材なのか、硬いのか柔らかいのか、どれくらいの重さなのかを認識すること。

さらには正しい運動を観察し、健側と患側の差異を比較、模倣、運動イメージを想起して、その動きを言語に変換し、どのように学習すべきか、考察してその行為を脳の中で意図する必要性が出てきます。

 

適切な運動表出の再構築にむけて

脳の表像の再構築を目指す経験が運動機能回復を引き出し、現実の行為を生み出すことに繋がっていくもの。

さらに、身体意識に働きかける経験が重要になってきます。

トレーニングする者自身が自己の身体について思考しなければ身体機能は回復しないということに気づくことが回復への出発点となります。

そのためにもトレーニング指導者はトレーニングする者に対し、自分の体をどのように感じているのか、失われた感覚を脳の中で探索させる必要性があり、まずは自己との対話を成立させ、自身を知ることによって適切な運動表出の再構築へと繋がっていくことを理解してもらいながらトレーニングを進めていくことが重要になっていきます。

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