エゴマ油と脂質代謝

エゴマ(荏胡麻)はシソ科シソ属に分類される植物で、エゴマのほかに、シソ、アオジソ、などがこれに属しています。エゴマは、アレルギー、ガンなどに対する抑制作用があるn-3系脂肪酸であるα-リノレン酸が豊富に含まれており、脳、神経、網膜などの機能を保つ働きも持っています。さらにα-リノレン酸は、血清脂質濃度低下作用、肝臓の脂肪酸合成低下作用、β酸化活性を高めるとされており、また、n-3系脂肪酸がPPAR(peroxisome proliferator-activated receptor)の活性化によるβ酸化亢進と、SREBP(sterol regulatory element-binding protein)のmRNA発現抑制による脂肪酸合成抑制を行うことも示唆され注目されています。

エゴマ油のようなα-リノレン酸を豊富に含む油脂を摂取することで、栄養学的、生理学的効果が現れる。

PPARは糖・脂質代謝の制御などさまざまな活動の制御に関わるタンパク質で、核内受容体のほかに転写因子としても機能します。SREBPは脂肪酸代謝、コレステロール代謝の制御において中心的役割を担うタンパク質です。また、エゴマ油のようなn-3系不飽和脂肪酸であるα-リノレン酸を豊富に含む油脂を適切に摂取することで、抗アレルギー作用、アトピー性皮膚炎やガンの抑制作用のほかに、高血圧予防、血小板凝集抑制、気管支喘息抑制などの栄養学的、生理学的効果が現れると言われています。

劣化に関係するいくつかの要素においても、低温(冷蔵庫)に保存すればきわめて安定する。

えごま油は不飽和度が高く、他の市販の食用油に比べて酸化劣化しやすいため、その用途は制約されています。劣化に関係するいくつかの要素において、温度の寄与がとりわけ高く、低温(冷蔵庫)に保存すればきわめて安定します。しかしそれでも、開封後は3ヶ月ほどが限度でしょう。

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