ケトジェニックダイエット再考

ケトジェニックダイエットとは、糖質を制限し糖質の代替エネルギー源として脂質を摂取する食事療法のことをいいます。
一般的なケトジェニックダイエットでは、血中のケトン体(β-ヒドロキシ酪酸,アセト酢酸,アセトンの総称)が増加するのが特徴です。
ケトジェニックは体重減少や糖尿病治療食として世間に知られていますが、もともとはてんかんの治療食として一般的に知られていたものでした。
ケトジェニックダイエットをすることにより、体内で炭水化物が不足するため、それに代替するエネルギー源としてケトン体の合成が促進、体内で主要なエネルギー源として使用されることがわかっています。
この食事に「Ketogenic」という呼称がついているのは、このケトン体生合成を伴う食事であることに起因しており、この生理的な状態が絶食時と類似しているため、ケトジェニックダイエットは「擬似絶食」とも呼ばれています。

低炭水化物・高脂肪食ダイエットであり、炭水化物源を極力減らし、その代わりエネルギー源として脂肪を摂取する食事療法。

ケトジェニックダイエットは、低炭水化物・高脂肪食ダイエットであり、炭水化物源を極力減らし、その代わりエネルギー源として脂肪を摂取する食事療法をいいます。
一般的には糖尿病の治療へは、ケトン比が4 : 1または3 : 1の食事がよく使用されています。
ケトン比とは(脂質の重量):(炭水化物+タンパク質の総重量)で表したもの。
ちなみに、この組成の食事をカロリーで換算すると8%がタンパク質由来、2%が炭水化物由来で、90%が脂質由来のカロリーとなり、ケトジェニックダイエットが脂質に富んだ食事であることがわかります。
現在では、ケトジェニックダイエットはヒトにおいては1日の炭水化物の摂取量を20~40g程度に制限する食事と定義されています。

ケトジェニックは脂肪酸合成を抑制し、脂肪分解を促進することで、ダイエット効果をもたらすもの。

実はケトジェニックダイエットが生体に与える影響の分子基盤を実験動物などを用いて生化学、分子生物学的に検討している報告はなかなかありません。
また、ケトジェニックダイエットにダイエット効果があることはケトン体生合成メカニズムからも明白でありますが、そのメカニズムについてはいまだ詳細にわかってないことも多いのが現状です。
様々な報告の中ではタンパク質摂取量が多いことによる食欲減退、脂質代謝の亢進、糖原性アミノ酸による糖新生経路の活性化による代謝変化が、体重の減少に関与するなど諸説報告されています。
特に、タンパク質を起源とする糖新生には400から600kcal/dayのエネルギーを消費されたと計算されることがその根拠となっています。
またケトン体によるグレリンやレプチンのなどのホルモン作用の変動などの報告もされています。

他方では、脂質代謝への変化に着目した研究結果も報告されていて、ケトジェニックダイエットが肝臓でケトン体合成を亢進し、脂肪酸分解を促進することや脂肪酸合成を抑制することを明らかにした報告もあります。
これらの結果からケトジェニックダイエットは脂肪酸合成を抑制し、脂肪分解を促進することで、ダイエット効果をもたらすものと考えられているのです。
そして興味深いことに、脂肪酸代謝に関するこれらの遺伝子発現パターンは絶食(カロリー制限)とは違う挙動であったことも報告されており、ケトジェニックと絶食、この2つの生理状態は必ずしも一致していないことが示されたことも非常に興味のある内容になります。

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