皮膚の伸張性と皮下組織構造特性

皮膚の伸張性は真皮と皮下組織の構造特性に由来します。

皮膚に加わる外力や関節運動

真皮のコラーゲン線維は三次元的に多方向に走行した網目状の配列をなしており、皮膚が伸張されると真皮のコラーゲン線維が伸張された方向に平行に再配列します。つまり、真皮を構成する個々のコラーゲン線維には可動性があり、これによって伸張性が発揮されており、皮膚に加わる外力や関節運動などによって発生する張力に対応しています。加えて、皮下組織は脂肪組織とそれを取り囲む線維成分からなるスポンジ様の構造であるため伸張性に富んでいます。そのため、皮膚に外力が加わるとその張力が表皮、真皮を介して皮下組織に加わり、まずは皮下組織が伸張されることになります。

コラーゲン線維やエラスチン線維

具体的には、張力が小さい場合にはエラスチン線維が引き伸ばされ、張力が大きくなるとエラスチン線維に加え、コラーゲン線維が可動、あるいは引き伸ばされることで伸張性を発揮しています。このように、皮膚の伸張性には真皮や皮下組織におけるコラーゲン線維やエラスチン線維が大きな役割を担っているといえます。一方、皮膚の伸張性は加齢に伴って変化することが知られており、その要因としては真皮におけるコラーゲンの減少が関与しているとされています。

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