痛みによる関節可動域障害

組織損傷などの発生によって生体に侵害刺激が加わるとその刺激は感覚神経を経て脊髄後角に伝えられ大脳皮質で痛みとして知覚されますが、同時にこの刺激は1つ以上の介在神経を介して運動神経を興奮させ、筋収縮が起こり、侵害刺激から生体を逃避させるように働きます。
また、交感神経の興奮を招くことも度々あり、痛みがある時に発汗するのはこの影響ともいわれています。

痛みの継続は、運動神経や交感神経の興奮も続き、骨格筋や血管平滑筋の収縮が持続することに繋がる。

このような一連の反応は、一過性であれば問題ではありませんが、痛みが継続してみられる場合には、運動神経や交感神経の興奮も続き、骨格筋や血管平滑筋の収縮が持続することになります。
そして、骨格筋をはじめとした周囲組織の血流は乏しくなり、新たな痛み物質の生成という悪循環を生じます。
一方筋収縮が持続するということは、常にミオシンとアクチンの間に強い結合のクロスブリッジが形成されていることを意味し、これにより関節の運動性は低下し、ひいては不動の原因となります。
さらに、関節周囲軟部組織の拘縮を招き、骨格筋にこれが起こると筋緊張も亢進すると考えるべきです。

長期不動による重篤な拘縮を防ぐ。

このように、痛みが原因となって起こる関節可動域制限が作られることになりますが、この現象は運動器系疾患をはじめ多くの症例に認められることです。
したがって、関節可動域制限に対するアプローチはこの悪循環を断ち切ることが重要で、もし断ち切ることができなければ、長期不動を起こすことにつながり、重篤な拘縮に発展すると考えられます。
だからこそ、なるべく不動状態がないように適切なリハビリテーションを行っていく必要があります。

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