ミネラルウォーターのあり方

「ミネラル」とは、ナトリウムやカルシウムなど水にとけている鉱物をさします。ミネラルウォーターは食品衛生法によると「水のみを原料とする清涼飲料水」とされています。

マグネシウムとカルシウムの合計量を水の「硬度」という

1990年に農林水産省は処理方法などによって「ミネラルウォーター」を4種類に分類するガイドラインを発表しました。ガイドラインによるとミネラルウォーターは「ミネラル」といいながら必ずしもミネラルが豊富な水でなくてもいいのです。たとえ原水が水道水でも、まったくミネラルがない水でも、飲むことのできる水をボトリングすれば「ミネラルウォーター」といって問題はないのです。水に含まれるマグネシウムとカルシウムの合計量を水の「硬度」といいます。日本では1リットル中に100ミリグラム未満を軟水、それ以上を硬水と分けています。硬水といってもミネラルの量は微々たるものなので、ミネラルウォーターだけで不足したミネラルを摂るのは難しく、食物からの摂取が必要になります。1965年に厚生省(当時)は、アルカリイオン水の効能を「飲用して制酸、胃酸過多に有効」と薬事法で承認していましたが、1992年に国民生活センターが、制酸などの効能を疑問視する検査結果を発表しています。調査によるとアルカリイオン水のアルカリ度は低く、胃腸薬1包と同程度の胃酸中和力を期待するには10リットル以上飲む必要があるということです。そうなると、効果を得るのは難しくなります。

ミネラルウォーターを飲む

海洋深層水は、光が届かない深海では、植物性プランクトンによる光合成が行われないため、窒素やリンなどの成分が海水に残るといわれます。しかし、海洋深層水を私たちが飲用水とするためには、塩分をのぞく処理が必要になります。その処理によってミネラルが失われるため、処理後に濃縮ミネラルを少し添加するものが多いようです。栄養(ミネラル)不足を補うためにミネラルウォーターを飲んで安心している人は要注意です。栄養素は食物から摂取した方が良いでしょう。炭酸飲料など糖分が高い物を飲んでいる人は、ミネラルウォーターに変えれば糖質カットができ、健康につながるでしょう。ミネラルウォーターは、過大な効果を求めず、無駄なもの、摂りすぎているものを軽減するために摂取すると良いでしょう。

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