広く知られているように胎児も人の声、すなわち音声や音を聞いています。
例えば母体外の環境音だけでなく、母親や胎児の運動で発生する音、消化器官のぜん運動による音、心拍音、血流の音や呼吸の音など。様々な音がノイズとして聞こえます。
胎児に音を聞かせると、胎齢27~28週にかけて身体を動かす運動反応が見られます。同時に心拍数が上がることも知られています。しかし、羊水の中での振動感覚に胎児が反応しているのかもしれず、このことだけでは聞こえた音に反応したかどうか分かりません。ところが胎児の脳波を調べると、胎齢25週までは記録できませんが、30~32週では安定して記録できることが分かっています。このことから27~28週で見られる運動反応もおそらく胎児の聴覚が発達して、聞こえてきた音に体を動かして反応したことによるものだと考えられています。
子宮内で聞こえてくる音声を録音したものを成人が聞くと、個々の音素や単語などは聞き取りにくいですが、イントネーションなどははっきりと分かるようです。イントネーションとは語句や文といった単語よりも大きい言葉の単位での抑揚のことです。したがって、胎児も音声の一つひとつを細かく識別できないものの、文を話す時の抑揚などについては聞き取って学習している可能性は大いにあります。
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