運動発達と感覚統合|フィジオ福岡 発達と感覚統合の考え

先日社内で行った運動発達と感覚統合の話。
私達ヒトの運動の起源はどこになるのかという話ですが、それはやはりお腹の中にいる段階、いわゆる胎児の段階までさかのぼります。

「モーターバブリング」

胎児の最初の運動の多くは明らかに自発的なものであり、刺激に対する応答ではないと考えられています。

当然、お腹を叩いたり声を掛けたらそれに対応するようにお腹を蹴ってくるということもありますが、それは胎児として少し大きくなってきてからのこと。

胎児は多くの発生してから最初は「モーターバブリング」を行っています。

「モーターバブリング」とは、自由な動きを通じて環境を理解しようとすること。足を適当に動かすことで、足と環境が作用する内部マップを構築するようなもの。

胎児の初めての運動はそれが「ジェネラルムーブメント」であれ「局所的な運動」であれ、自発的でなにかの感覚刺激に対する反応というばかりではなく、明確なゴールに向けたものでありつつ自身を取り囲む空間に対してランダムに行われるものであると考えられています。

ヒトはいつまでも自己探索をするべき生物である。

運動に意図的な目標が明らかでないときでさえ、このようなちょっとした運動を通して、胎児は自身を取り囲む空間を探索し、自身の身体とその環境について探索し、その運動が与える自身と環境に対する影響を探索しているということ。
諸説ありますが、「胎児は空間を探索する宇宙飛行士と同じようなもので、ある種の原始的な好奇心や内的なモチベーションによって動かされている」と考えるのが一番かなと思っております。
内的なモチベーションとは、生物にみたことのないようなもの、別の言い方をすれば、この時期の運動は「生理学的欲求の充足ではなく自己の身体と周辺環境についての情報の増加と出会わせるもの」であるのではないか、そしてその運動、その運動からくる感覚入力によって自己を取り巻く環境を感じ、さらにそこから自己と環境との隔たりを感じ、結果として自分と他者を理解する自己認知を行っていくものである、と。

コンディショニングの概念にも最近、身体操作性などのキーワードがでてきており、身体操作を行うための自己認知、いわゆる身体地図やボディ・マッピングなどの考え方も広まってきていますが、その起源はこのあたりから来ているのではと思うのです。

うまく動けない、と思ったときには、それが子供であれ、大人であれ、やはり自己をより正確に認知するために空間を探索せよ、その探索において自己と他者の空間的定位を定めることができれば、自ずと自分のコントロールができるようになるのかと思います。

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