生体に生じる癒着を考える|フィジオ福岡 軟部組織の癒着

トレーニングやトリートメントをしていると、部分的の組織が動きづらくなっていたり、感覚的に選手が「この辺りがつっぱる感じがする」などといった表現で違和感を訴えてくるケースは多いものです。
このような場合、軟部組織の癒着なども頭に入れておく必要があります。

一般的に癒着とは、コラーゲン組織が組織面などでくっついてしまうことが原因であったり、連結したマクロフィラメント瘢痕組織の異常発達の結果生じてしまったり、コラーゲンをベースとした組織の伸張性と弾力性低下が要因であるなど様々なことが原因で生じてしまう現象です。
例えば、長期の固定、組織損傷、手術後の縫合、過度の組織へのストレスなどでも癒着が生じるケースはあります。

靭帯とその下にある骨、軟部組織と靭帯との癒着が生じる。

例えば腱の癒着は、術後や損傷後の箇所とその周辺の長い腱の間で生じやすいとされています。
術後や損傷後の腱組織の修復過程において、損傷後の腱周辺の癒着を促進し、腱の非運動性を促進していくことになります。
これはストレスの軽減という意味ではそこまで悪い反応でなないですが、これが過度になると癒着が進行し、その可動性・滑走性が低下してしまいます。
これと同様にいえるのが靱帯の癒着。
靭帯にも癒着はあり、例えば靭帯とその下にある骨、軟部組織と靭帯との癒着が生じるとされています。

軟部組織である関節包や滑液包も癒着は存在する。

ここ最近の筋膜への注目は高く、筋膜リリースなどの単語が世に広まったので、筋膜が癒着することはかなり広まったといえるでしょう。
筋膜は軟部組織になりますが、当然他の軟部組織である関節包や滑液包も癒着は存在します。
関節包の癒着で多いとされるのが滑膜同士の癒着。
例としては、肩甲上腕関節の特発性の癒着型関節包炎などが挙げられます。
また関節包や滑液包の癒着は炎症時での滑膜同士の癒着という病態が多く、代表的な滑液包炎としては慢性的な殿部や大転子の滑液包炎などが生じます。

神経も癒着する。

一方で意外と知られていないのが神経の癒着です。
末梢神経の癒着などは尺骨神経溝での尺骨神経の癒着や手根管での正中神経の癒着などがあります。
通常、末梢神経は四肢が動いているときは、その神経周辺の組織と一緒に動かなければならないのですが、癒着が生じると神経痛などのリスクにもなります。
通常、末梢神経の癒着は神経上膜と結合組織の間で起きるとされており、特にマッスルゲート(筋の間隙)や神経の可動性が制限されている場所ほど癒着のリスクは高いとされています。
また、末梢神経だけでなく、神経根での癒着も生じることがあります。
末梢神経と同様に神経根は四肢が動いているときは、その神経周辺の組織と一緒に動かなければならない、つまり神経根自体に少しの可動性があるわけですが、神経根の癒着が進むとこの可動性が失われることになり結果として神経症状が出現するリスクもあるので注意が必要になります。

 

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