脳から脊髄に向かう直接調節系

脊髄の神経細胞は豊富な入力情報源を持っており、一個の神経細胞が入力信号を受け取るシナプスの数は数千から一万にも及びます。

信号を受け取るシナプスのうち筋肉や腱、皮膚などの抹消情報を伝えるものの他は脳から降りてくる情報を伝達しています。

脳からの情報は直接脊髄の神経細胞のシナプスに入力するものと、脊髄の介在細胞を経由するものがあります。

どのように情報は伝わっていくのでしょうか?

どのように伝わるのか

脊髄に直接出力を送る脳の部分は、大脳皮質運動野、赤核、上丘、カハル間質核、前庭神経核、橋や延髄の網様体があります。

それぞれの出力は下降線維の束となって脊髄の決まったルートを通って、脊髄神経細胞や脊髄の介在細胞に分岐しながら接続します。

大脳皮質運動野は一次運動野が主な出力部分ですが、運動前野や補足運動野からも出力が下降します。

赤核は大脳と小脳の情報を中継して脊髄の働きを調整します。

上丘とカハル間質核は眼球や首の運動の調整、前庭神経核は内耳から送られてきた頭の位置や動きの情報をもとに、姿勢の制御を行うときに使われます。

橋や延髄の網様体は大脳とその他の脳部分からの情報を集めて運動と姿勢調節の両方に関与します。

このように脳から直接脊髄に下降する直接調節系は働きます。

脊髄には直接出力していなくても、運動の発現や調節に重要な働きをする脳の中枢はたくさんあり、直接調整系の働きはそれ以外の多くの脳部分と様々な連絡によって影響し合っています。

脳の上位中枢から下降する調節系

脳の上位中枢から下降する調節系は直接脊髄の運動細胞に接続して興奮・抑制作用を及ぼすものと介在細胞に接続・経由して神経細胞を制御するものとがあります。

多くは介在細胞を介して制御し、信号を中継するだけでなく、脳からの信号まとめたり、筋肉や皮膚からの入力と脳からの情報を統合したりすることができます。

それに加え、脊髄反射を構成する介在細胞が脳からの調節入力を受けることも多く、例えば、相反抑制を生ずる反射系を形成する相反抑制細胞に脳の多くの部分から下降性入力があります。

この構造によって、随意運動の調整を脳が行うとき、脳からの出力は神経細胞を制御すると同時に脊髄反射もコントロールし、反射の強さとタイミングを目的とした運動の遂行するようにコントロールできます。

介在神経を中心とした神経回路を多く形成することによって、脊髄は幅広い機能を有します。

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