サルコペニアとは、加齢に伴って起こる筋量、筋力の減少、筋機能の低下のことを指します。
これは、若年層でも起こりうるもので、加齢に伴って起こる原発性サルコペニアに対し、二次性サルコペニアといいます。
一般に、高齢者にみられるサルコペニアは、日常生活動作の不自由さ、バランス能力の欠落、杖や歩行具の利用増加、生存率の低下などQOLと密接な関係を持ちます。
サルコペニアの予防・改善には積極的な身体運動、日常生活に運動を取り入れることだとされており、例えば高齢者とは結びつけにくい筋力トレーニングも例外ではありません。
加齢に伴う筋力の減少は、主に速筋線維から起こるとされており、近年の研究では、筋サテライト細胞数の減少は、速筋線維のみに起こり、遅筋線維には起こらないという報告もありました。
これに対し、筋力トレーニングでは、速筋サテライト細胞の増加が見込め、速筋線維の肥大が期待できます。
したがって、サルコペニアにおいて筋力トレーニングは非常に有効なプログラムであると考えられます。
しかし、高齢者の筋力トレーニングには、果たして若年者と同じように筋肥大が起こるのかという問題がついて回ります。
高齢者と筋力トレーニングについて検証した研究は数多くあります。
それらをまとめると、若年者と同じように、神経系の発達、筋肥大、パワー、筋持久力の向上が起こりうることが示唆されています。
そのためには、適切な栄養摂取、筋肥大には強い疲労感を感じるまで、パワー向上には速い動作、といったことが重要であり、基本的に若年者と変わりはありません。
もちろん各種スポーツの効果も認められており、ともかく運動をすることが大事なようです。