ストレスは、いくつかの段階からなるプロセスで「きっかけとなる出来事(ストレッサー)」が、心身に生じる変化(ストレス反応)につながっていくというものです。
ストレッサーがストレス反応に直結しているわけではなく、ストレッサーの受けとめ方や対処のしかたにより、ストレス反応には個人差があるということがわかっています。
ストレスへの対処行動
ストレス状態は、ストレッサーという刺激によって心身にひずみが生じている状態です。
しかし、ストレスは対処困難でどうしようもないものというわけではありません。対処は可能なものなので、ストレッサーが発生した時にどう対処し、ストレス反応を軽くするかといった視点が大切になります。
例えば、刺激(ストレッサー)をなくす、ひずまないようにする、ひずんだ状態を元の平穏な状態に戻す、といった対処が考えられます。
そういったストレスへの対処行動のことを「コーピング」または「ストレスコーピング」といいます。ストレス状態にならないようにする行為、ストレス状態を元の平穏な状態に戻そうとする行為のことです。
ストレスコーピングは一種の技術で、一般的には年齢を重ねるにつれて次第に向上していくものとされています。
ネガティブワード・ポジティブワード
「ストレスコーピング」とはもともとはストレス状況下でストレスの原因を除去したり、ストレス状況を低減するように対処する努力をすることを目的としています。
その方法は個人によって異なりますが、痛みという症状に対しては、積極的に対処し克服しようとする個人の適応力を指します。
さらに否定的な考えや、病態への不安、行動の制限などへの悪い適応によって、逆に痛みや機能障害、筋スパズムが強くなるという報告もあります。
これに対し、動かさず大事にすることよりも運動を行うほうが痛みが改善していくという報告や、仕事に即した運動を行うことによって痛みの治療効果が向上したという報告もされています。
このような運動をさせる場合、「これは避けなくてはならない」とか「~してはいけない」というネガティブワードを言葉がけするのではなく、「これは行って問題ない」「これはできるようになった」などのポジティブワードをかけることが正しいコーピングを成功させる秘訣になるといわれます。
つまり、心理的なアプローチ、行動認知療法、機能優先の運動などを通して、心理面にアプローチを行い行動変容を行っていくことが大切にになります。
まずは物事をポジティブに考えてみてはということ。
「病は気から」ではないですが、少なからずも影響しているということは科学的に実証されているということを考えてみるといいかもしれませんね!