成長過程では体力要素によって発達する時期が異なり、発達の著しい年齢期にその要素のトレーニングを行うと効果が上がりやすいことが知られています。成長とともに発達する体力は成人以降に緩やかな低下傾向をたどります。
例えば、サッカーや野球などの球技でボールを巧みに扱ったり、体操などで自分の体を巧みに操作するには、神経系が深く関与します。
年代ごとの発達過程を考慮
多様な動きは、その基礎となる神経系が著しく発達する10歳以前に習得するのが効果的です。
また、身体の発達の著しい中学生時期には、身体・体重だけではなく呼吸器・循環器系も発達するので、持久力トレーニングに適した時期で、形態発達のピークが過ぎた高校生時期には、筋が発達するので、パワーや瞬発力のトレーニングに適しています。
こうした年代ごとの発達過程を無視したトレーニングは将来的にマイナスになります。
例えば、小学生時期に筋トレを導入するとある程度成績を上げられますが、反面この時期に最も重要な動きの習得が不十分になってしまえば、それを中・高校生時期になってから挽回するのは容易ではありません。
成人以降は、平均的に見れば徐々に体力が低下していきますが、全てが避けられない生理的な変化ではありません。
また高齢期では加齢とともに低下していきますが、要素ごとに見ていくと、全ての体力要素が一様に発達・低下するわけではありません。
この様に加齢によって生じる変化を把握・想定し、また実際の自分の身体のコンディションを定期的にチェックして現在の自分が向上すべき体力要素を踏まえた運動・トレーニングを行うことは、競技力の向上だけではなく、健康を維持するためにも必要になります。