野球選手のTOSは姿勢だけでなく、運動も関係してくると言われています。
ランニング
走ることで投球側の手がだるくなる、冷たくなる、痺れてくるなどのTOSの症状が現れます。
意外にもバッテイングではこの症状は現れず、走ることで症状が出現します。
上肢を下垂させている状態では血管は圧迫されず、鎖骨と第一肋骨の間は比較的広い面積が保たれているため症状が出にくいとされています。
普通に走っている状態ですとTOSの症状は出にくいと思いますが、なぜ出現するのでしょうか?
これは体幹を固めて姿勢良く走ろうとすると、肩の挙上が起きたり、足部のアライメントが崩れることによって頚部・前胸部が緊張したりすることで、間隙の狭小化が起こり症状が発生します。
トレーニング
トレーニングはパフォーマンスを向上させるために行いますが、トレーニングフォームが正しくないと逆にパフォーマンスを下げてしまいます。
TOSを誘発しやすいトレーニングとしてクランチ、体幹キープ、腕立て伏せやベンチプレスがあります。
クランチは腹直筋を鍛えるのには良い種目ですが、野球の動きと結びつけづらいので良いとは言えません。
また、しっかりと顎を引いて行わなければ頚部の緊張が強くなりTOS症状が現れます。
体幹キープは胸椎伸展、腰椎屈曲という不良姿勢になり、これも頚部の緊張が強くなりTOS症状が現れます。
腕立て伏せやベンチプレスは不良姿勢もそうですし、胸筋の鍛えすぎによる胸筋の肥厚によって神経を圧迫するためTOS症状が現れます。
野球選手のTOSを予防するためにもトレーニング時の姿勢や内容を考えなければなりません。