筋肉はポジション作り

肩甲上腕関節の下方亜脱臼を防ぐ棘上筋の機能は、関節窩を上方へ傾斜することにより促通されます。このようにして、肩甲骨を吊り下げている筋の筋力低下は、関節の下方亜脱臼に繋がります。このような肩関節の下方亜脱臼は、脳卒中後の上肢筋力低下の拡散に伴っている患者さんに多く見られます。僧帽筋の筋力低下は、肩甲骨下方回旋を生じる肩峰突起の下降により生じます。このように、肩甲上腕関節の下方亜脱臼は棘上筋と僧帽筋の筋力低下の影響が組み合わさった結果と思われます。下方亜脱臼の関節を安定するために上腕骨を上げる力を与えるスプリントは、亜脱臼を減少することにほとんどの場合、良い結果をもたらしません。適切な治療方法は、腱板構成筋の活動を促通することで、関節窩の上方傾斜を元に戻すための運動を含めたアプローチを行うことであります。肩甲上腕関節を安定化させるために戦略を開発する際に、肩甲骨の位置を考慮することが非常に重要となってきます。

関連記事

  1. 後縦靭帯骨化症(OPLL)を考える |フィジオ福岡 脊柱の疾患

  2. 変形性股関節症を考える。| フィジオ福岡 股関節へのアプローチ

  3. 股関節臼蓋形成不全と周辺筋群の萎縮|フィジオ福岡 臼蓋形成不全に対する…

  4. なぜ女性の方がACLを損傷しやすいか

  5. 肩甲上腕リズムと周囲筋の機能|フィジオ福岡 肩の運動を考える

  6. 三角線維軟骨複合体(TFCC)損傷とTFCCの機能

閉じる