男性と女性では、女性の方が2〜8倍ACL損傷率が高いというデータがあるくらい女性の方が損傷しやすいです。
「自爆」での損傷率が高いことが知られており、アライメントや関節弛緩性が関係すると言われていますが、他の要因としてスクワット動作時のH/Q比が関係しているとされています。
なぜこのH/Q比が関係しているのでしょうか。
ACLとは
そもそもACLとは膝前十字靭帯のことを言い、大腿骨の外側顆内側壁の後方から脛骨顆間隆起の前内側部に付いている、長さ35mmの靭帯です。
脛骨の前方移動の80%以上を制御しており、下腿の内旋や外反、膝過伸展に対しても制御します。
スポーツ動作においてQuadriceps dominance(大腿四頭筋が有意に働くこと)が発生の要因として言われています。
これは大腿四頭筋が有意に活動することによって脛骨が前方に偏位する力が働き、ACLが伸張されるため損傷するとされています。
スクワット動作時の男女の違い
スクワット動作時の男女の違いは、筋活動や姿勢の違いがあります。
まず筋活動では、男子に比べて大腿二頭筋の活動が低く大腿直筋の活動が高いとされており、H/Q比(ハムストリングスと大腿四頭筋の筋力比)が低いです。
このことより女性は大腿四頭筋を有意に活動させながら(Quadriceps dominance)スクワット動作を行なっているため、ACLを損傷しやすいです。
また、ワンレッグのスクワットにおいて女性は直立に近いポジションで膝関節外反、股関節内転、支持脚側への骨盤の回旋、体幹の側屈がおこります。
よって、大腿後面の筋肉を有効に使わないスクワットを行っており、H/Q比が低く、大臀筋の筋活動や臀部筋の神経筋コントロールが不十分だとされています。
大腿後面の筋肉をバランスよく使うことによって、ACLの伸張ストレスを軽減させ損傷リスクを減らします。
スクワットにおいて大腿四頭筋の筋活動とハムストリングスや臀部筋の筋活動を意識してトレーニングを行う必要があります。