スポーツにおける頚部傷害 | フィジオ福岡 スポーツにおける頸部障害

スポーツにおける頚部傷害は、アメリカンフットボール、ラグビー、相撲、柔道などのコンタクトスポーツでみられることが多く、障害より外傷が多いのが特徴です。

バーナー症候群を含む頚椎捻挫があり、この外傷が外来での頚部外傷の90%以上を占めているとの報告があります。
さらに、再発を繰り返す例もみられ、プレー中止による選手とチームへの影響が大きいため、現場への早期復帰と再発を含めた発生予防を心がける必要があります。
頚椎の骨折を伴う四肢麻痺のような重大な後遺症を認める外傷も時としてみられます。
他に頚部神経根損傷を合併するバーナー症候群や急性中心性頚髄損傷と思われる一過性四肢麻痺などがあり、いずれも頚椎捻挫を伴って起こる外傷と考えられています。

頭頚部傷害は意識不明や命を落とす可能性も考えられるとても危険なもの。

頚部の急性損傷には、捻挫、骨折、打撲、ストレインなどがあります。
捻挫は、脊椎靱帯の伸びや断裂したときのことです。
捻挫によって椎骨がずれて、神経や脊髄を挟んでしまい損傷する可能性がありますし、頚部の安定性に影響が及んでしまいます。
また、1つ以上の椎骨の骨折は、神経を挟んでしまい脊髄を損傷する可能性があります。
骨、筋肉、脊椎損傷に対する打撲または挫傷は、出血や腫脹(腫れ)を生じて脊髄や神経の枝を圧迫または挟んでしまう可能性があります。

ストレインは、頚部の筋肉または腱が伸びるか断裂したときのことであり、頚部の安定性に影響を与える可能性があります。
頚部の損傷は捻挫、骨折、打撲、ストレインの区別が困難なため、頚部の損傷の管理は同じように行う必要があります。

元阪神の赤星選手は2009年ダイビングキャッチを試みた際に「中心性脊髄損傷」を発症してしまいました。
中心性脊髄損傷は、頚椎の過屈曲・過伸展でおこり、手のしびれ,何も触れないほどの痛み,自発痛が特徴です。
交通事故(追突事故)で,むち打ち損傷の初期にも見られます。
脊髄は脳からの電気信号を末梢組織に伝える役割を果たします。
横断面でみると,中心に近づくほど上肢に分布する神経の線維が通っているため,中心部が衝撃によって障害を受ける中心性頚髄損傷では上肢に強く症状が出るのです。

頭頚部傷害は意識不明や命を落とす可能性も考えられ、とても危険です。
観客をも魅了する全力プレーの裏には時として大きな事故につながりかねないのです。
そのため、スムーズかつ正しい対処が必要になります。

頚部損傷における対応と処置を考える。

万が一、現場で頸部損傷ではないかという事態が起こったときにどう対処するのかを考えておかねばなりません。
下記は緊急対応時にどうしたらいいかをまとめたものです。
参考にしてみてください。

倒れている選手を動かさず、声をかける。
1.反応がなく、意識消失あり→救急車要請。
2.意識あるが、四肢麻痺あり→救急車要請。
3.意識消失も四肢麻痺もない→自力で起きるよう指示する。
サイドラインで判定する。
立ち上がった際、ふらついたり倒れたりする可能性があるので、選手をいつでも支えられる体勢でいる。

1)意識の確認
意識の確認や症状の把握は、近づいて行く段階から始まる。
1.倒れている選手に近づきながら、大きいな出血や変形、変色などの異常がないかどうかを確認する。
2.決して揺さぶらず、声をかける。
「大丈夫」、「聞こえる」、「どこが痛い」
3.明確な反応がない場合、選手の両手を握り「きこえたら手を握って」と呼びかける。
4. 手を握り返してきたら意識があると判断する。
5.「痛い痛いとのたうち回る選手には、声かけをしても答えが得られないことが多く、意味がないので、まず落ち着かせる」
6.まったく握り返してこない、もしくは片手のみ握り返す場合、意識消失や脳、脊髄の傷害を考える。
7.「もしきこえていたら、目をパチパチさせてみて」と問いかけ、実際にパチパチしてきた場合は、頚椎の脊髄損傷の可能性が高い。

スポーツ現場のみならず、交通事故(特にバイク)・転落・転倒により、脊髄が損傷するケースが多いのも実際です。
そのうち頚髄損傷が3/4を占めるといわれています。
ですが、頚髄損傷の60%にはレントゲン検査で骨折が認められないことが報告されています。
また脊損患者の70%が呼吸障害をきたすともいわれています。
これは横隔膜を動かす神経は第3・4・5頚椎から出ているため、第3頚椎以上の損傷では呼吸不能となり救急隊の現着時には死亡しているケースがほとんどであり、第4頚椎での直接の損傷や、それ以下でも不用意な体位変換により浮腫が第4頚髄に及べば呼吸が停止、第5頚椎以下の損傷であっても呼吸の補助をしている肋間筋が動かなれば呼吸困難感は必発してしまいます。

重大な事態を避けるためにも、しっかりと対処できるように頭に入れておくことが必要です。

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