スポーツの現場でのケガは、どんなに注意していたとしても起こるときには起こってしまうものです。
そのため、発生してしまった時に正しい対応ができるかどうかが重要なポイントになります。
今回は、「脳震盪」の場合を考えたいと思います。
ほとんどの脳震盪は画像に異常が表れず、画像だけで異常なしと判断されてしまうケースがある。
脳振盪が疑われる場合は、ただちに競技を中断させて、医学的な評価を受けさせる必要があります。
現場にドクターやアスレティックトレーナーがいる場合には、その場で評価・チェックを行うことができますが、いない場合は指導者・チームスタッフ・チームメイト・保護者などが、その選手の様子をつぶさに観察しなければなりません。
脳震盪の兆候がみられる場合には、早急に医師の診断・医学的評価を受けるために医療機関に搬送する必要があります。
【脳震盪の疑いがある兆候・症状】意識消失・素早く動けない感じ・痙攣発作やひきつけがある・霧の中にいる感じ・健忘症・気分がよくない・頭痛・集中力がない・頭部圧迫感・思い出せない・頸部痛・疲れていて活力がない・吐き気や嘔吐・混乱している・めまい・眠くなりやすい・ものがかすんで見える・いつもより感情的・バランスが悪い・怒りやすい・光に過敏・悲しい・音に敏感・神経質で不安感があるなど
ほとんどの脳震盪は画像に異常が表れず、画像だけで異常なしと判断されてしまうケースがあるので、できることなら専門医に診てもらうのがよいでしょう。
例えば、アイスホッケーの選手の場合をみてみると、普段の生活は問題なくても、下を向いてスケート靴を履き始めると急にめまいがしたり、ウォーミングアップまでは大丈夫だったが、氷上で早く動くパックを目で追いかけ始めると気持ち悪くなったりすることもあります。
脳震盪に関しては、競技復帰にも慎重に考えなければならない。
症状の出方も人それぞれなので、注意が必要です。
そして、たとえ症状がすぐに治まったとしても、その日の試合や練習には絶対に復帰させてはいけません。
本人が大丈夫だといったとしても、脳震盪の症状はその疑いが生じてから一般的には24~48時間以内であれば再発する恐れがあるといわれています。
そのため、選手を1人にすることなく、経過を観察することが大切です。
気づかないうちに意識がなくなり危険な状態に陥ることもあるので、誰でもいいので必ずばについて、変化を観察する必要があります。
また、試合や練習が終わり家に帰った後も、1人にしないようにします。
脳震盪に関しては、競技復帰にも慎重に考えなければなりません。
安静時の症状が消失しただけでは意味がなく、段階を踏んで運動負荷を与え、徐々に運動強度を高めても、何の症状もでないというところまで確認してから、初めて競技に復帰できるのです。
競技復帰の際には、必ず医師の許可が下りてからとなります。