身体にまつわる不調、いわゆる外傷・傷害・疾病・疲労・誤った運動動作・イメージなどに対し機能的な見方から、身体運動や運動を捉えて問題点を明らかとし、安全で効率的な運動の獲得を目的にアプローチをしていく方法がいわゆる機能的なエクササイズといわれるものになります。
運動や動作の不調、能力障害や動作の障害を解決するためには身体をどのように使えば良いのか、そして求められる運動に必要な体力やスキルを安全にかつ効率よく鍛えるためにはどうしたらよいか、一方でどうして外傷が起こるのかという問いへの回答が必要となります。
臨床推論で導く
その回答を見いだす方法として「臨床推論」と呼ばれるものがありますが、この臨床推論では能力障害や動作の障害とそれを引き起こしている機能障害、またその機能障害を引き起こしてる原因の関係を「運動」や「動作」といったキーワードに沿って機能的な視点から考えることが重要になります。
例えば、ある人にとっては難なくこなせる動作であっても、ある人にとっては難しい。
そういうことはよくあります。
その難しい動作の繰り返しにより、身体の一部にストレスが集中し、それが原因で慢性外傷を引き起こしている方に出会うことはよくあることです。
こういった方は「要求されている動作」と「それを遂行するために必要な体の機能」にミスマッチがあります。
この「要求されている動作」と「本人の身体機能」の関係を解剖学や運動学的知識、疾患・疾病に関する知識で解釈し、機能的な見方として捉え、これらの関係を十分に理解し、治療においてはその方の問題点を解決するための介入方法を選択することが重要になります。
要素を見極め解決策を考案する
特に下記のポイントが機能的評価には重要であると考えられています。
①全体的に見ること:姿勢と構え、重心と運動軸、関節の動きと筋活動
②ユニットで見ること:運動機構、運動システムを知る
③構造科学を知ること:関節の形状や筋の走行
④動作・運動目的とその効率:その動きのエネルギー効率はどうか
⑤運動の連続性:運動連鎖
⑥身体操作のスキル:うまく身体を操作できているかどうか
これらの要素を運動の中で解釈しその問題点を見極め解決解決していくことが重要です。