DNAと遺伝子

競技スポーツの世界で「ものが違う」と言われる選手がいます。では、「もの」とはなんでしょう?

近年、様々な研究が進み、「もの(素質)≒遺伝子の個人差」という面が注目されています。

スポーツ中継を見ていると、「◯◯のDNAを受け継いだ選手」や「◯◯の遺伝子を持つ選手」などといった言葉を耳にしたことがあると思います。では、DNAと遺伝子の違いはなんなのでしょうか?

DNAとは「Deoxyribonucleic Acid(デオキシリボ核酸)」の略です。これは、塩基と呼ばれる部分と糖、リン酸から構成され、塩基には4種類あります。その種類によりAdenine(アデニン)、Guanine(グアニン)、Cytosine(シトシン)、Thymine(チミン)のDNAが存在し、頭文字をとってA、G、C、Tと略されて表記されます。また、DNAは1列ではなく2列で並んでおり、AはTと、GはCと対を作ります。

人間の細胞に含まれる核の中では、DNAが約30億対連なって存在します。これをゲノムDNAと呼んでいます。細胞の中には基本的な情報の流れる方向があり、DNAからRNA(DNAとは別の核酸)、RNAからタンパク質へと情報が伝わります。ただし、30億対の情報全てがRNAへと伝わるのではなく、利用されるのはごく数%と言われています。この利用され最終的にタンパク質になる数%の領域が「遺伝子」言われる領域です。

つまり、素質の違いというのは約30億対のDNAの配列と遺伝子となる領域の違いによって生まれるのです。

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