内転筋の作用というと代表的なものに股関節の内転が挙げられるが、他にも大切な作用として下部体幹の安定性と、股関節の屈曲・伸展作用があります。
下部体幹の安定性は日常生活においてもスポーツ動作においても重要であるが、インナーユニットの動員を自覚をすることはなかなか難しいものです。
しかし筋膜的に連結している内転筋を作用させることでインナーユニットを意識的に動員することが可能になります。
内転筋の身体正中化作用
具体的方法として背臥位で膝を立てて両膝の間にボールを挟み、呼気と同時にボールを潰します。
段階的に足踏みを付け加えたり、端座位での実施に漸進していきます。
股関節の屈曲・伸展作用についてですが、これは股関節が伸展位にある時は屈曲に、屈曲位にある時は伸展に働くというものです。
つまり、内転筋は矢状面上でも全額面上でも「身体の正中化」を担っていると考えられます。
内転筋とはいうものの、実際に股関節の内転作用を使う場面はあまりないため、身体を正中化をし、体幹を安定させる要の筋肉と考えておいて良さそうですね。