トレーニングやリハビリなどの運動療法の世界では、よく運動連鎖という概念が用いられます。
運動連鎖は大きくふたつの意味で使われており、ひとつはよく知られているOKCやCKCがある運動連鎖(Kinetic Chain)、もうひとつはある関節の運動が他の隣接する関節へ影響を及ぼすという意味を持つ運動連鎖(Kinematic Chain)とがあります。
今回はKinetic Chainについてお話します。
こちらの運動連鎖はここから、上に挙げたとおり開放運動連鎖(Open Kinetic Chain:OKC)と閉鎖運動連鎖(Closed Kinetic Chain:CKC)のふたつに分けられます。
OKCとは、四肢の遠位端が自由な状態で行う運動のことで、CKCとは、四肢の遠位端の動きが抵抗によって抑止されている状態で行う運動のことです。
また、手足の末端が床等に接しているか接していないか、単関節運動か複合関節運動かで分けることもあります。
OKCはたとえば、レッグエクステンションやアームカール、CKCはスクワットやプッシュアップ等があります。
運動プログラムを組む場合、例外こそあれどOKCからはじめ徐々にCKCにもっていくと良いとされています。
理由としてはOKCは一度に動く関節が少ないため動きをコントロールしやすいというものがあります。
日常生活動作や競技パフォーマンスの向上のためには、OKCばかりではなく、身体の各関節が複合して行われるという意味でもCKCをねらった運動を行っていく必要があります。
ご自分でプログラムを組む場合、これらのことをしっかり理解したうえで取り組むと、より効果的に運動が行なえます。
それぞれの長所・短所をよく理解して用いたいものです。