どのように骨格筋疲労が起こるのか

疲労は骨格筋疲労などの身体的疲労と中枢神経系疲労などの精神的疲労に分けられます。

どちらの疲労においても身体活動量や質の低下を誘発します。

骨格筋疲労とは何らかの原因で骨格筋が疲労し、骨格筋が強く、早く、長い時間収縮できなくなることを指します。

どのようにして骨格筋の疲労は起こるのでしょうか?

今回は神経筋伝達機構に焦点を当てて書いていきたいと思います。

神経筋伝達機構の疲労

骨格筋は脳から送られてくる活動電位が中枢神経系を通り、α運動ニューロンの神経終末に伝達され、神経伝達物質であるアセチルコリンが神経終末から放出され、アセチルコリン受容体と結合する時に発生する活動電位によって収縮します。

神経伝達機構とはα運動ニューロンの細胞体から軸索の終末部分と筋繊維の接合部のことを指し、中枢と末梢のつなぎ目となります。

神経筋伝達機構の疲労は活動電位の欠落やアセチルコリンの放出量の低下、アセチルコリン受容体感受性の低下が原因とされています。

この時、神経軸索や神経終末、神経終板の機能低下が生じます。

活動電位の欠落

活動電位の欠落は末梢部分の細い軸索の分岐点で欠落する頻度が高いとされています。

この細い軸索は体積に対して表面積が大きく、細胞内の物質の許容量が少ないにもかかわらず幕状のイオンチャンネルからの流出量が多いため、軸索外のカリウムイオン濃度が増加し、ナトリウムイオンの濃度が減少することによって筋収縮をスムーズにに行うことができなくなります。

これによって、活動電位の伝達欠如が起こります。

活動電位の欠落を防ぐには、運動によって神経軸索の変性を抑制できると、活動電位の欠落が防げ疲労耐性の獲得につながると言われています。

アセチルコリンの放出量の低下

活動電位が神経終末に達すると、カルシウムイオンチャネルが開き、終末にカルシウムイオンが流れていくことによってアセチルコリンがシナプス間隙へ放出されます。

連続的な電気刺激によってアセチルコリン量が低下し、アセチルコリンの再合成が何らかの原因で阻害されるため、伝達物質の不足によって筋の張力が減少します。

これを防ぐためには、アセチルコリンの放出量を増やさなければなりません。

トレーニングを行うことでアセチルコリンが存在する神経終末が増え、アセチルコリンの量を増やすことができます。

アセチルコリン受容体感受性の低下

アセチルコリン受容体は神経終板に位置しますが、神経終末よりわずかに大きいので受容体の数よりも質の低下が疲労の原因とされています。

質の低下にはアセチルコリンの分解を行うアセチルコリンエステラーゼの量が連続的な収縮によって減少し、アセチルコリンが分解されなくなることでシナプス間隙にアセチルコリンが蓄積してしまいます。

これによって、アセチルコリン受容体をブロックする形となってしまい、感受性を低下させ、筋疲労の原因となります。

この場合も、運動によってアセチルコリンエステラーゼの活性が向上し、アセチルコリンの蓄積を防ぐことができるので、受容体の機能を保ち、筋疲労を防ぐことができます。

栄養で神経筋伝達機構の回復ができる

栄養によって神経筋伝達機構の回復ができるとされており、アセチルコリン量の回復を促進させることが重要です。

そのためにはアセチルCoA量とコリン量の増大が必要となってきますが、この二つは体外から摂取することが難しいため、合成を促す必要があります。

アセチルCoAの合成にはビタミンB1が重要で、豚肉やうなぎ、トリのレバー、カツオ、玄米、大豆などに多く含まれています。

コリンの合成にはレシチンが重要で、卵黄やレバー、豆類、カリフラワー、レタスなどに多く含まれます。

 

高強度のトレーニングを行った日や激しいスポーツを行った日は神経筋伝達機構の疲労を早く回復させるために、ビタミンB1やレシチンが多く含まれた食材を選んで食事を行いましょう。

 

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