大腿四頭筋の筋挫傷は、コンタクトスポーツに多く、「チャーリーホース」・「ももかん(ももかつ)」とも呼ばれ、骨に近い深部の筋に起こりやすく、大腿四頭筋では中間広筋が損傷されやすくなります。
症状は、打撲部の腫脹が強いと疼痛が強く、膝関節には著名な屈曲制限が起こります。慢性化すると、骨化性筋炎の合併や筋組織の拘縮によって、膝屈曲の制限が残存します。
処置として、受傷直後から3日間は出血を最小限にとどめる必要があるため、アイシングを徹底的に行います。また、可及的に損傷した筋を伸展させる肢位をとり血腫の形成を抑制します。
症状の度合いですが、受傷後の膝の屈曲角度を参考にします。Ⅰ度の筋挫傷ではほとんど膝屈曲制限がなく、Ⅱ度では45~90度、Ⅲ度では45度以下に制限されます。急性期を過ぎ、3日目以降の膝の屈曲角度が90度以上可能であれば3週以内の復帰が見込まれます。3日目以降に90度の屈曲が不可能な場合、肉離れと同様に段階的にリハビリテーションを行っていきます。